百まいのドレス
外国(がいこく)から移住(いじゅう)してきた転校生(てんこうせ)のワンダのことを
みんなはおかしな名前(なまえ)だなぁと思(おも)っています。
でも、それだけではワンダをからかう理由(りゆう)にはなりません。
ワンダがみんなからからかわれるようになったのは、ワンダが、
うちの棚(たな)にドレスを百(ひゃく)まい持(も)っていると言(い)ったからです。
ワンダのうちは貧乏(びんぼう)で、毎日(まいにち)同(おな)じ服(ふく)を着(き)ています。
それなのに、ドレスを百(ひゃく)まいなんて。
だからみんなはワンダがうそをついていると思(おも)いました。
みんなは、ワンダはなぜそんなうそをつくのだろうと思(おも)っています。
でも、ワンダに何度(なんど)聞(き)いても、
やっぱり百(ひゃく)まい持(も)っていると言(い)いはるのです。
それは、ワンダが本当(ほんとう)にドレスを百(ひゃく)まい持(も)っていたから。
みんなが想像(そうぞう)していたものとは少(すこ)し違(ちが)いましたが。
ワンダがうそつきではなかったとみんなが気(き)づいた時(とき)には、
ワンダはもうよそへひっこしていました。
ペギーとマデラインはなんとかしてワンダに謝(あやま)りたくて、
自分(じぶん)たちで出来(でき)ることを全部(ぜんぶ)しました。
ワンダにはふたりの気持(きも)ちが届(とど)いたようです。
この本(ほん)を読(よ)んだ人(ひと)は、
最後(さいご)のページに「おしまい」の文字(もじ)を見(み)て、
とてもあたたかな気持(きも)ちになるでしょう。