おもしろい本があるところ

子どもたちから「おもしろい本、おしえて!」とよく聞かれるので、ちょっくらおすすめしてみます。

不思議の国のアリス

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不思議の国のアリス岩波書店岩波少年文庫

想像してください。
あなたは今、
たいくつだなあと思いながら、土手の草の上にすわっています。
すると、チョッキを着たウサギがポケットから時計を取り出し、
「たいへんだ!どうしよう!まにあいそうにもないぞ!」
と言いながら、走っていきました。
こんなものを見てしまったら、あなたなら、どうしますか?

わたしなら、絶対にウサギのあとを追いかけます。
こんなヘンテコなウサギを見過ごすわけにはいきません。

アリスも同じです。
夢中でウサギのあとを追いかけました。
そして、そのままウサギ穴に飛び込みました。
このウサギ穴の深いこと、深いこと。
落ちていく間、アリスがねむくなってしまうほどでした。

そうしてたどり着いたところから、またウサギを追いかけていくと、
細長い広間に出ました。
しかし、ウサギの姿はありませんでした。
広間には、いくつかのドアがならんでいました。
そこにガラスのテーブルが出てきて、
テーブルの上には金のカギがありました。
アリスはそのカギを全てのドアでためしましたが、
開いたのは、ネズミくらいしか入れないほどの小さなドアでした。
でも、ドアの向こうには、すてきな庭が広がっています。
アリスはその庭に入ってみたいとおもいました。

そこでアリスは、もう一度ガラスのテーブルのところにもどってみると、
小さなびんがあって、
「ワタシヲノンデ」と印刷されていました。
これを飲むと、たちまちアリスは小さくなりました。
これで小さなドアから庭に行けます。

ところが、残念なことに、あのカギを忘れました。
テーブルのところへもどりましたが、
さらに残念なことには、アリスは、テーブルの上に届かない小ささです。

すると今度は、小さなガラスの箱に入ったケーキが足元にありました。
試しに食べてみたところ、今度は頭が天井にぶつかるほど大きくなりました。
これでは、ドアを開けれても、入ることなんてできません。

アリスはとうとう泣きだしてしまいました。
アリスの涙で、池ができてしまいました。
そこへあのウサギが通りかかりました。
アリスが声をかけると、ウサギはおどろいて、
白い手袋と扇子を落として行ってしまいました。

アリスは、扇子と手袋を拾いました。
そして、その扇子であおいでいるうちに、
なんと、今度はだんだん小さくなるのでした。
アリスは、自分の流した涙の池でおぼれそうになりました。
気づいてみると、池には、いろいろな鳥やけものたちが落っこちていました。

こんな風に、つぎつぎとヘンテコなことが起こります。
このあと、アリスは、
三月ウサギと帽子屋のお茶会に参加したり、
女王さまのクロケーの会に参加したりします。

わたしは、アリスが、
どんなにヘンテコなことに出合っても、
礼儀正しくて、ものおじしないところが好きです。
それに、次はどんなことが起きるかなぁと、
好奇心いっぱいで楽しんでいるところも好きです。
冒険ものが好きな人は、ぜひ読んでほしいです。




ふしぎの国のアリス (偕成社文庫2063)

ふしぎの国のアリス (偕成社文庫2063)