おもしろい本があるところ

子どもたちから「おもしろい本、おしえて!」とよく聞かれるので、ちょっくらおすすめしてみます。

ねこはしる

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ねこはしる(童話屋)

ランは、兄弟のなかで、一番のろまで、内気な猫でした。

猫の特訓では、何をやってもビリでした。

お母さんは、ランが猫らしいことが何も上手くできないので、

とても心配しています。

ランも、しょんぼりしています。

だけど、ランはあきらめません。

みんながお昼寝をしている時も、野原で特訓をしていました。

そんなランのことを野原のみんなは優しく見守ります。

小さな魚も同じでした。

魚は、小さな池にたった1匹で暮らしていました。

ある日、ランがの池の水を飲みにいったとき、

魚は、つい、ランに話しかけます。

ラン、1匹だけだったからです。

普段、猫たちが水を飲みに来たときは、

魚は、石のかげで、ひっそり息をひそめていました。

 

ランは、とても礼儀正しく魚に接しました。

この時魚は、自分はランのことが好きになるかもと予感しました。

この予感は的中しました。

 

それからは、ランと魚は、毎日のように一緒に過ごします。

作中では、その日々のことを「うたうようなおどるような日々」といっています。

どれほどうっとりするような、すてきな時間が積み重なったのでしょう。

しかし、そんな平和な時間は長くは続きませんでした。

魚が猫に見つかってしまったのです。

お母さんは、猫の訓練の仕上げに魚とり競争をすることにしました。

 

ランと魚の間に、重たくて冷たい空気が立ち込めます。

ランと魚はいったいどうなってしまうのでしょう。

 

悲しくて切ないお話ですが、何度も読み返したくなるお話です。

ぜひ、読んでみてください。

 

 

ねこはしる

ねこはしる

  • 作者:工藤 直子
  • 発売日: 1989/03/01
  • メディア: 文庫