ねこはしる
ランは、兄弟のなかで、一番のろまで、内気な猫でした。
猫の特訓では、何をやってもビリでした。
お母さんは、ランが猫らしいことが何も上手くできないので、
とても心配しています。
ランも、しょんぼりしています。
だけど、ランはあきらめません。
みんながお昼寝をしている時も、野原で特訓をしていました。
そんなランのことを野原のみんなは優しく見守ります。
小さな魚も同じでした。
魚は、小さな池にたった1匹で暮らしていました。
ある日、ランがの池の水を飲みにいったとき、
魚は、つい、ランに話しかけます。
ラン、1匹だけだったからです。
普段、猫たちが水を飲みに来たときは、
魚は、石のかげで、ひっそり息をひそめていました。
ランは、とても礼儀正しく魚に接しました。
この時魚は、自分はランのことが好きになるかもと予感しました。
この予感は的中しました。
それからは、ランと魚は、毎日のように一緒に過ごします。
作中では、その日々のことを「うたうようなおどるような日々」といっています。
どれほどうっとりするような、すてきな時間が積み重なったのでしょう。
しかし、そんな平和な時間は長くは続きませんでした。
魚が猫に見つかってしまったのです。
お母さんは、猫の訓練の仕上げに魚とり競争をすることにしました。
ランと魚の間に、重たくて冷たい空気が立ち込めます。
ランと魚はいったいどうなってしまうのでしょう。
悲しくて切ないお話ですが、何度も読み返したくなるお話です。
ぜひ、読んでみてください。