おもしろい本があるところ

子どもたちから「おもしろい本、おしえて!」とよく聞かれるので、ちょっくらおすすめしてみます。

ともだちは海のにおい

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ともだちは海のにおい(理論社

いるか と くじら は、ともだちです。

いるか と くじら が出会った日のことをはなしましょう。

 

その夜、いるかは眠れなくて、夜のさんぽをしながら星を数えていました。

よく晴れて、しずかで、満天の星空でした。

ゆっくり背泳ぎをしながら、星を見上げて、いるかは、

ああ。星がいっぱい。………なんてしずかなんだろう。

さびしいくらいだ

さびしいくらいしずかだと、コドクがすきなぼくでも、

だれかとお茶を飲みたくなる。

 

そのすぐ近くでは、くじら も星を数えながら ひとり言を言っています。

ああ。星がいっぱい。………なんてしずかなんだろう。

さびしいくらいだ

さびしいくらいだと、コドクがすきなぼくでも、

だれかとビールを飲みたくなる。

 

いるかは、声のしたほうへ泳いでいって、話しかけてみました。

「ぼくと飲まない?」と。

 

飲みたいものはちがっても、同じ気持ちの いるか と くじら です。

まずは、いるかのところでお茶を飲み、

つぎに、くじらのところでビールを飲みました。

 

いるか と くじら は、いろいろちがうところもあるけれど、

似たところも多くありました。

 

いるか と くじら は、大きな海にかかえられて、

ゆっくりとおたがいを知り合っていきます。

私は、いるか と くじら の距離感が好きです。

おたがいが、自分の時間を大切にしていて、

相手の時間も大切にしていて。

自分の好きなものを大切にしていて、

相手の好きなものを大切に思っています。

そしておたがい、

そんな ともだちが いることをほこらしく思っています。

 

長いきかん、ともだちで いつづける秘けつを教えてくれる本です。

ぜひ、読んでみてください。